「電話が鳴るたびに、少しだけ緊張してしまう…」 「マニュアル通りに話しているはずなのに、相手の反応が良くない気がする…」 「とっさの質問に、“少々お待ちください”しか言えなくなってしまう…」
会社の代表として電話を受ける。それは、事務職にとって最も基本的でありながら、実は非常に高度なスキルが求められる仕事です。
声のトーン、言葉の選び方、ほんの少しの間。その一つひとつが、あなた自身の評価はもちろん、会社の第一印象そのものを創り上げています。
この記事は、「電話応対が少し苦手」と感じているあなたのための、実践的な教科書です。NG例との比較を通じて、明日からすぐに使える基本フレーズと、その裏にある「相手への配慮」を学びましょう。
電話応対は、ピンチではなくチャンスです。あなたの声で、会社の信頼を築き上げていきましょう。
- あなたが知らずにやっているかもしれない、信頼を失うNG対応がわかります。
- 電話を受ける→取り次ぐ→切るまで、一連の流れに沿った具体的なフレーズが身につきます。
- 言葉遣いだけでなく、声のトーンや間の取り方まで含めた「デキる人」のコツがわかります。
その一声で印象ダウン?電話応対で絶対にやってはいけない3つのNG行動
まず、良かれと思っていても、知らず知らずのうちに相手に不快感を与えてしまっているかもしれないNG行動から確認しましょう。
NG1:「自分本位」の第一声
- NG例: 「はい、〇〇です」
- なぜダメか? 名乗らずにいきなり用件を話し始める人がいないように、受け手も「会社名・部署名・氏名」をきちんと名乗るのが鉄則です。相手は「ちゃんとした会社につながった」と安心できますし、あなたも「会社の顔」としての自覚を持つことができます。
NG2:「説明不足」の保留
- NG例: 「少々お待ちください」(と言って、いきなり保留にする)
- なぜダメか? 突然無音になると、相手は「電話が切れてしまったのでは?」と不安になります。「(何のために)お待たせするのか」を具体的に伝えるのが、相手への配慮です。「担当の〇〇に代わりますので」と一言添えるだけで、相手は安心して待つことができます。
NG3:「思考停止」の返答
- NG例: 「わかりません」「できません」
- なぜダメか? たとえ事実でも、この一言で会話を終わらせてしまうのは、問題解決を放棄する「無責任な対応」と受け取られかねません。大切なのは、できない理由と「代替案」をセットで提示することです。「私では分かりかねますが、担当者に確認し折り返しご連絡します」と伝えるだけで、誠実で問題解決能力の高い印象に変わります。
【状況別】“できる人”はこう話す!基本の言い換えフレーズ集
ここでは、電話応対の一連の流れに沿って、具体的なフレーズと、その裏にある「配慮のポイント」をセットでご紹介します。
① 電話を受ける時(第一印象を決める3秒)
- 基本フレーズ: 「お電話ありがとうございます。株式会社〇〇、△△(部署名)の〇〇(氏名)でございます」
- ポイント: 少し高めの、明るい声のトーンを意識しましょう。感謝の言葉から始めることで、丁寧な印象を与えます。
② 担当者に取り次ぐ・不在の時
- 担当者がいる場合: 「〇〇(担当者名)ですね。ただ今、代わりますので、少々お待ちいただけますでしょうか」
- 担当者が不在の場合: 「申し訳ございません。あいにく〇〇は席を外しております。戻り次第、こちらから折り返しご連絡させてもよろしいでしょうか」
- ポイント: 不在の場合は、可能であれば「〇時頃に戻る予定です」と目安を伝えると、さらに親切です。
③ 用件を伺う・聞き返す時
- 相手が名乗らない場合: 「恐れ入りますが、お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか」
- 内容が聞き取れなかった場合: 「申し訳ございません、お電話が少々遠いようでして、もう一度お伺いしてもよろしいでしょうか」
- ポイント: 相手に非があるような言い方(「聞こえません」など)は避け、「電波のせい」というニュアンスで伝えると、相手も快く繰り返してくれます。
④ 折り返しを約束する時
- 基本フレーズ: 「念のため、ご連絡先のお電話番号を復唱させていただきます。090-XXXX-XXXXでお間違いないでしょうか」
- ポイント: 必ず「復唱」することで、聞き間違いを防ぎます。「担当の者が戻り次第」といった曖昧な表現ではなく、「本日15時までには」など、具体的な時間を提示できると、より信頼感が増します。
⑤ 電話を切る時(最後の印象)
- 基本フレーズ: 「お電話ありがとうございました。〇〇(氏名)が承りました。失礼いたします」
- ポイント: 相手が電話を切るのを待ってから、そっと受話器を置くのが丁寧なマナーです。ガチャ切りは厳禁です。
言葉以上に伝わる。信頼される人の「話し方」3つのコツ
正しいフレーズを覚えても、話し方一つで印象は大きく変わります。最後に、あなたの電話応対をもう一段階レベルアップさせるための、3つのコツをご紹介します。
コツ1:声に「笑顔」を乗せる
不思議なことに、口角を少し上げて笑顔の形を作るだけで、声のトーンは自然と明るく、温かい響きになります。 電話口の相手には見えませんが、あなたの「歓迎する気持ち」は、声色を通じて確実に伝わります。デスクに小さな鏡を置くのも効果的です。
コツ2:言葉に「クッション」を挟む
相手に何かをお願いしたり、反論したり、聞き返したりする前には、必ず「クッション言葉」を挟む習慣をつけましょう。
- 例:
- 恐れ入りますが、
- 申し訳ございませんが、
- お手数ですが、
- 差し支えなければ、 この一言があるだけで、言葉の衝撃が和らぎ、非常に丁寧で配慮のある印象を与えます。
コツ3:会話に「確認」を入れる
仕事の電話で最も避けたいのは、「言った・言わない」の認識のズレです。これを防ぐ最強の武器が「確認作業」です。
- 「〇〇というご依頼で、納期は△△というご認識でよろしかったでしょうか?」
- 「それでは、〇〇の件、私が担当部署に申し伝えます」 このように、要点を復唱し、誰が何をするのかを明確にすることで、ミスを未然に防ぎ、相手に絶大な安心感を与えることができます。



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