「この作業、前回はどうやったんだっけ…?」 「〇〇さんしか知らない業務で、担当者が不在のため完全にストップしてしまった…」 「新人に何度も同じことを教えている気がする…」
もし、あなたの職場でこんな光景が日常茶飯事なら、その原因は、個人の記憶力や頑張りに頼った、非常に脆い働き方にあるのかもしれません。
「マニュアルを作るのは面倒だ」 そう思う気持ちはよくわかります。しかし、その一度の「面倒」を乗り越えることで、未来のあなたと同僚の、何十時間という時間を節約できるとしたら、どうでしょうか。
この記事では、「マニュアル作りは苦手」というあなたのための、実践的なガイドです。マニュアルとは、単なる手順書ではなく、チームの生産性を最大化し、あなた自身をより付加価値の高い仕事へと解放するための、最も強力な武器なのです。
- なぜ「できる人」ほど、マニュアル作成を重視するのか、その本質的な理由がわかります。
- 文字を読まなくても伝わる、「見て真似するだけ」のマニュアル作成の3つの黄金律が身につきます。
- 作ったマニュアルを「チームの資産」に変える、具体的な運用方法と便利ツールがわかります。
なぜ仕事ができる人は、全員「マニュアル作成」を徹底するのか?
多忙なはずの「仕事ができる人」ほど、なぜ手間をかけてまでマニュアルを作るのでしょうか。それは、マニュアルがもたらす3つの絶大な効果を知っているからです。
1. 未来の自分の「脳」を解放するため
「あれ、どうやるんだっけ?」と、過去のやり方を思い出す時間は、仕事において最も無駄な時間の一つです。マニュアルは、あなたの脳の「外部記憶装置」。
一度作り方を記録してしまえば、あなたはもう「思い出す」という作業に脳のメモリを割く必要がなくなり、目の前の仕事に100%集中できます。
2. チームの「時間」を奪わないため
「これ、どうやるんですか?」 この質問が、あなたの集中力をどれだけ奪っているでしょうか。マニュアルがあれば、新人も同僚も、自分で答えを見つけられるようになります。
あなたが質問に答える時間がなくなるだけでなく、チーム全体が「質問待ち」で手が止まることもなくなります。良いマニュアルは、最高の教育担当者なのです。
3. 業務の「ムダ」を発見するため
不思議なことに、業務の手順を書き出すというプロセスそのものが、最高の「業務分析」になります。「なぜ、ここでこんな面倒な作業をしているんだろう?」「この手順とあの手順、まとめられるのでは?」といった、普段は気づけない業務のムダや改善点が、面白いほど見えてくるのです。
【保存版】“読まなくても伝わる”マニュアル作成、3つの黄金律
「読んだけど、よく分かりませんでした」と言われてしまうマニュアルは、存在しないのと同じです。ここでは、誰が読んでも迷わない、「見て真似するだけ」のマニュアルを作るための3つの原則をご紹介します。
黄金律1:「1手順=1画像」で、文字を読ませない
人間の脳は、文字を読むよりも、画像を見る方が何倍も速く、直感的に理解できます。良いマニュアルとは、「読ませる」のではなく「見せる」ものです。
- 具体的な方法:
- PCの操作手順であれば、すべてのクリック、すべての入力画面をスクリーンショットで撮影します。Windowsの
Snipping ToolやMacのshift+command+4など、標準機能で十分です。 - 撮影した画像に、「①ここをクリック」「②〇〇と入力」のように、矢印や数字、簡単なテキストを書き込みます。
- PCの操作手順であれば、すべてのクリック、すべての入力画面をスクリーンショットで撮影します。Windowsの
- ポイント: 文字での補足説明は最小限に。「見て、真似すれば、誰でも同じ結果になる」状態を目指しましょう。
黄金律2:「なぜ?」を添えて、思考を伝える
ただ手順を羅列するだけでは、指示待ちの作業者しか育ちません。「できる人」のマニュアルには、必ず手順の「理由」や「目的」が添えられています。
- 悪い例:
⑤ 添付ファイルの名前を「日付_内容」に変更する - 良い例:
⑤ 添付ファイルの名前を「日付_内容」に変更する。(理由:このルールで統一することで、後から誰でも検索しやすくなるため)この一言があるだけで、読み手は単なる作業者ではなく、目的を理解したパートナーとして動けるようになります。
黄金律3:初心者の視点で「言葉」を翻訳する
あなたが普段、無意識で使っている社内用語や専門用語は、新人や他部署の人にとっては「外国語」です。
- チェックポイント:
- 「例の件」「よしなに」といった、曖昧な言葉を使っていないか?
- 業界用語や社内略語を、注釈なしで使っていないか?
- ポイント: マニュアルが完成したら、必ず「その業務を全く知らない人」に一度読んでもらいましょう。 「この言葉の意味、分かりますか?」と質問することで、自分では気づけなかった「伝わらない部分」が明確になります。
作ったマニュアルを「チームの資産」に変える運用術
マニュアルは、作って終わりではありません。常に最新の状態に保たれ、誰もが簡単にアクセスできる状態にして初めて、「チームの資産」となります。
1. 保管場所は「1つのクラウド」に統一する
作成したマニュアルは、必ずチーム全員がアクセスできるクラウド上の特定のフォルダ(例:共有ドライブ > 業務マニュアル)に保管しましょう。個人のPCに保存するのは、属人化の元凶となり、絶対に避けるべきです。
2. 更新ルールを決め、「生きたマニュアル」にする
業務手順は、時間と共に変化します。古い情報のまま放置されたマニュアルは、むしろ混乱を招きます。
- ルール例:
- マニュアルのフッターに「最終更新日」と「更新担当者」を必ず明記する。
- 半年に一度など、定期的に内容を見直す「棚卸し」のタイミングを決めておく。
さらに便利なツールで、マニュアルを進化させる
WordやPowerPointでの作成も良いですが、より高度な管理・共有を目指すなら、情報共有に特化したツールの活用がおすすめです。
- おすすめツール:
Notion(ノーション)文書作成だけでなく、データベース、タスク管理、Wiki(情報集積サイト)の機能までを併せ持ったオールインワンツールです。マニュアル作成はもちろん、関連するタスクや参考資料まで、すべての情報を一元管理できます。
参考リンク: Notion テンプレートギャラリー (議事録やプロジェクト管理など、すぐに使える豊富なテンプレートが用意されています。)
まとめ|“教える時間”を、未来への投資に変えよう
マニュアル作成は、一見すると手間のかかる遠回りに見えるかもしれません。 しかし、それは未来の自分の「思い出す時間」と、チームの「質問される・する時間」をゼロにする、最も効果の高い時間投資です。
まずは、あなたが一番よく「これ、どうやるんだっけ?」と聞かれる業務について、その手順をスクリーンショットに撮ることから始めてみませんか?その数枚の画像が、あなたとチームを、日々の雑務から解放してくれるはずです。



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