「あの人に相談すると、なんだかスッキリする」 「特に何か言ってくれるわけじゃないのに、すごく安心して話せる」
あなたの職場にも、そんな「聞き上手」な人はいませんか?
一方で、あなたはこんな風に悩んでいないでしょうか。 後輩から相談されても、つい自分の意見を押し付けてしまう。 上司への報告では、焦ってしまい「で、結論は?」と遮られてしまう。 良かれと思ってしたアドバイスが、相手の表情を曇らせてしまったことがある。
もし、あなたが「話すのは苦手だけど、周りの人の力になりたい」と心から願っているなら、その答えは**「聞く力」**に隠されています。
この記事は、口下手でも、特別なスキルがなくても、「聞き方」を少し変えるだけで、社内のコミュニケーションの中心になれる、そんな可能性を秘めたあなたのためのものです。
- なぜ「話し上手」より「聞き上手」が、職場で本当に必要とされるのかがわかります。
- あなたが知らず知らずのうちにやっているかもしれない、信頼を失う「残念な聞き方」に気づけます。
- 明日からすぐに実践できる、信頼される人の「聞き方の3つの鉄則」が身につきます。
なぜ「話し上手」より「聞き上手」な人が、職場で信頼されるのか?
まず、なぜ「聞く力」がこれほどまでに重要なのでしょうか。 それは、多くの職場、特に様々な部署と連携する事務職のようなポジションでは、すべての仕事が「人から寄せられる情報」から始まるからです。
- 営業担当からの、急な依頼や相談。
- 経理からの、細かな確認事項。
- 後輩からの、業務に関する不安な声。
こうした一つひとつの情報を、正確に、そして相手の感情まで汲み取って受け止められる人。それが「聞き上手」な人です。
「聞き上手」な人には、自然と質の高い情報が集まります。 「この人になら、安心して話せる」 「この人に相談すれば、きっと分かってくれる」 そう思われることで、あなたは社内の情報の「ハブ(中心地)」となり、問題が大きくなる前に芽を摘んだり、部署間の連携をスムーズにしたりと、目には見えにくいけれど、非常に価値の高い役割を果たすことができるのです。
つまり、「聞く力」とは、単なるコミュニケーションスキルではなく、問題を未然に防ぎ、チームを円滑に動かすための、極めて戦略的なビジネススキルなのです。
やってませんか?信頼を静かに失う「残念な聞き方」5つのNGパターン
良かれと思ってやっているその聞き方が、実は相手の心を閉ざさせているとしたら…? まずは、知らず知らずのうちにやってしまいがちな「残念な聞き方」をチェックしてみましょう。
NG1:「キーボードを打ちながら」の“ながら聞き”
相手が話しているのに、PC画面を見たまま、キーボードを打つ手を止めずに「うん、うん」と返事をする。これは、「あなたの話より、今の作業の方が重要です」という無言のメッセージとなり、相手の話す意欲を根こそぎ奪います。
NG2:話を途中で奪う“結論泥棒”
相手が話し終える前に、「つまり、こういうことですよね?」と話を要約したり、結論づけたりする。相手は「まだ一番言いたいことがあったのに…」と感じ、話を聞いてもらえなかったという不満だけが残ります。
NG3:求められていない“即席アドバイス”
相手がただ話を聞いてほしいだけなのに、「それは、こうすればいいんですよ」と、すぐに自分の正論や解決策を語り始めてしまう。相手は「説教されたいわけじゃないのに」と感じ、相談したことを後悔します。
NG4:「へぇ…」「そうなんだ…」だけの“地蔵リアクション”
無表情・無反応で、ただ話を聞いている(ように見える)状態。相手は「この話、面白くないかな…」「ちゃんと聞いてるのかな…」と不安になり、どんどん話しづらくなっていきます。
NG5:自分の話にすり替える“話題ハイジャック”
相手が「最近、仕事でミスしちゃって…」と話しているのに、「わかる!私もこの前、もっとすごいミスしてさ~」と、自分の話にすり替えてしまう。相手は、自分の悩みを軽く扱われたように感じ、二度とあなたに相談しようとは思わないでしょう。
【明日からできる】信頼される人の「聞き方」3つの鉄則
では、どうすれば「この人になら話したい」と思われる聞き方ができるのでしょうか。特別な才能は必要ありません。以下の3つの鉄則を意識するだけで、あなたの印象は劇的に変わります。
鉄則1:【姿勢と相槌】「あなたの話に集中しています」という“安全な空間”をつくる
聞き方で最も重要なのは、「私はあなたの話を真剣に聞いていますよ」というメッセージを、言葉以外の態度で示すことです。
- 体を向ける、PCから手を離す: 話しかけられたら、一度キーボードから手を離し、体ごと相手の方へ向けましょう。この「聞く姿勢」を見せるだけで、相手の安心感は格段に高まります。
- 感情のこもった相槌を打つ: ただ「はいはい」と聞くのではなく、「なるほど!」「そうだったんですね!」「それは大変でしたね…」と、相手の話の内容や感情の波に合わせて、声のトーンや表情を変えてみましょう。“あなたの気持ち、ちゃんと受け止めていますよ”という何よりのサインになります。
鉄則2:【質問と確認】「正解」ではなく「相手の気持ち」を深掘りする
相手の話を理解しようとする時、大切なのは「アドバイス」ではなく「質問」です。
- 「なぜ?」ではなく「どうして?」と聞く: 「なぜそうしたの?」は詰問に聞こえがちですが、「どうしてそう思ったんですか?」と聞けば、相手の背景にある考えや感情を引き出すことができます。
- 「オウム返し+確認」で認識のズレを防ぐ: 「〇〇ということがあったんですね。それで、今は△△というお気持ちだという理解で合っていますか?」と、相手の言葉を繰り返してから自分の理解を伝えることで、「ちゃんと聞いてくれている」という安心感と、「話がズレていない」という正確性の両方を担保できます。
鉄則3:【承認と感謝】「話してくれて、ありがとう」で締めくくる
会話の終わり方も、信頼関係を築く上で非常に重要です。
- 相手の行動を承認する: 「大変な中、相談してくれてありがとうございます」「正直に話してくれて、とても助かります」と、話してくれたこと自体への感謝と承認を伝えましょう。
- ポジティブな一言を添える: 「おかげで状況がよく分かりました」「良い改善のヒントをもらえました」と、相手の話が自分にとってプラスになったことを伝えることで、相手は「話してよかった」と心から感じることができます。
この「話してよかった」というポジティブな感情の積み重ねこそが、あなたへの揺るぎない信頼を築いていくのです。



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